ピアノ初心者・初級者のための上達に導く5つの有効なトレーニング

ピアノの上達と自分で楽しめる力

コロナウイルスの影響で続くおうち時間。

このおうち時間を有効に使って、趣味として楽器を始める人が増えています。

新しいことにチャレンジしたり、好きなことに没頭する時間があると、ポジティブになれていいですよね。

でも、ピアノが弾けたら楽しいだろうな、と思って習い始めたのに、

『なかなか上達しなくて、ピアノを弾くのが楽しくなくなってきた。』

このようにお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか?

上達しないのは、練習不足のせい?才能がないから?

練習は必要です。でも、実は練習しているだけでは上達しません

才能がない⁈

そうではなくて、ピアノを演奏するために必要な音楽の基礎的な能力向上のためのトレーニング=ソルフェージュが足りないのだと思います。これによって、自分の力で音楽をもっと楽しめるようになり、ピアノも上達していきます。

次の5つを意識して、レッスンや自宅での練習でトレーニングし、身に着けていくことで、初心者・初級者の方が陥りがちな問題を解決し、スムーズに上達に導いていくことができます。

1拍感・拍子感を体で感じる
2読譜ができる
3頭、指先、耳を直結させる
4曲想をつかむ
5リズムに乗る

ここからは、この5つを身につけるための具体的なトレーニング法とメリットについてお話します。

これから上達していくために

上達していくためには、基礎が大事です。

積み木を高く積み上げようとしても、まず土台となる下の積み木が安定していないと、ある所から上へはどうしても積めず、崩れてしまう。

ピアノの演奏にとって、土台となる下の積み木は、拍感・拍子感です。

これが身に付いていないと、どんなに楽譜通りの音を弾いていても、何を弾いてもなんとなくぎこちない演奏になってしまいます。

ここからは、拍感・拍子感について説明します。

拍感・拍子感

音楽には、2拍子、3拍子、4拍子、8分の6拍子などがあります。

基本的にどの拍子も、1拍目は重みを感じます。私はよく「ボールが地面にストンと落ちるように」と表現します。2拍目は、裏拍といって、1拍目より軽くなります。小節の最後の拍は最も軽く、そして、次の1拍目へとつながっていきます。

このような基本的な拍感・拍子感を体で感じながらピアノを弾くことで、自然な流れが生まれ、心地よい音楽になります。

文章で説明すると難しいと思われるかもしれません。でも、この拍感・拍子感を身につけるために有効なトレーニングは、とっても楽しいことばかりで難しいことではありません。それは、伴奏に合わせて歌うとか、連弾をするとか、アンサンブルをするとか、誰かと息を合わせて演奏する事です。そういう体験を重ねる事で自然に体で感じられるようになります。

練習嫌いの原因を改善して上達に導く

【ピアノを弾くのが楽しくなくなる=練習嫌いになる】

その原因は、「読譜が苦手」という場合が多いです。それは、こういうことです。

    1. 音の高低(ドレミ)やリズムが読めない、または、読むのが遅い
    2. 譜面から曲想をつかめない
    3. リズムに乗れない

これらを改善していくと、ピアノを弾くのが楽しくなり=練習嫌いを克服し、上達していきます。

読譜は慣れ

      • 音やリズムを読むのが苦手。読むのが遅い。
      • 楽譜を見ても音やリズムをはっきりとイメージ出来ない。

私の子供時代を振り返ると、これが原因で練習嫌いでした。楽譜を開かずに耳で覚えたメロディーを遊び弾きばかりしていたのです。これでは、せっかくレッスンで先生から教わった事が、家に帰って復習することができないので、定着しません。

楽譜は、「文字を覚えて、文章を読む」のと同じです。音符やリズムを1つ1つ覚えて理解し、読んでいくと読めるようになっていきます。

レベルアップしていくと、どんどん自分の世界が広がります。今は、ネットでもいろんな楽譜が手に入れられるので、自分に合ったレベルや好みの楽譜を選んで楽しむことができます。例えば、映画やテレビで流れているお気に入りの曲を、自分で弾いて楽しむとか、懐かしい歌を弾き語りするとか…といったことができるようになります。

ピアノの楽しい世界の扉を開けて、1歩1歩進んでください。最初は読譜ドリルなどを使うのもよいです

頭、指先、耳を直結させる

読譜をして音にした時、それを判断できるよう耳を鍛えることが大切です。判断できる耳がないと、それが正しいのかわからず、間違ったまま練習を重ねるというようなことになってしまいます。

ソルフェージュは、得た知識を使いこなせるようにするトレーニングです

楽譜を読んだら、メロディーを弾きながら、ドレミで歌いますこのトレーニングをじっくりするで、「頭ではわかっているのに違う音を弾いてしまう」「ドミソ」なのに「ドレミ」と弾いてしまう、というようなことがなくなって、頭で出した指令通りに指先がうごくようになってきます。そして、音程を合わせてドレミで歌うことで音を聴き分ける耳の感覚が育ちます。

この時選曲は、あまり難し過ぎない、聞き覚えのある曲や好きな曲を選ぶと良いです。楽しく続けることが大事です。

曲想をつかむ

次に、前の楽譜のメロディーにハーモニーがついた音源をお聴きください。2回繰り返していますので、2回目はハーモニーを感じながら歌ってみてください。

いかがですか?メロディーにハーモニーがつくと、立体感が出て、曲想がイメージしやすくなります。このように、メロディーを正しく読譜したら、伴奏をつけてもらい、ドレミで歌ってみると良いです。

それによって、ピアノを演奏するとき、曲を立体的に捉え、曲想をつかむ感覚が身についていきます。自分なりのその曲に対する思いや、風景などのイメージを込めて演奏することは、美しい音や豊かな表現につながるので、ピアノの上達にはとても大切です。

音楽の世界を楽しみ、感性を磨いていくことは、ピアノを長く楽しむことやモチベーションにつながります。

また、ハーモニーはとても奥が深いですが、基本的なハーモニーを学び、伴奏を付けるトレーニングをする事で、好きな曲や耳コピしたメロディーに、自由に伴奏を付けたり、弾き語りをしたり、というような楽しみ方の幅も広がります。

リズムに乗る

リズムは音楽にとって命です。曲の性質を決めるのにも、感情や表情をつけるのにも、リズムはなくてはならないものです。

【リズムに乗る】とはどういうことでしょう?それは、拍感・拍子感を体で感じながら、正しくリズムを取ることです。

初心者・初級者のうちは、ピアノを弾くとき、【正しい音を弾く】動作に気を取られがちです。知らず知らずのうちにリズムが崩れてしまう…という状態になることがあるのです

ですので、リズム感を鍛えるトレーニングは、ピアノの上達のために欠かせません。ここで大切なのは、拍感・拍子感です。

私はレッスンで、リズムカードで音符を読みながら、手でリズムを打つ【リズム打ち】をしています。

拍の最後(4拍子なら4拍目)に次のカードを出していきます。最初は2枚(2小節分)。慣れると、4枚、8枚と長く続けます。

両手の演奏のためには、左右別々のリズムを同時にするトレーニングも有効です。2段(上段は右手、下段は左手)のリズム音符を読みながら、膝でリズムを打ちます。

まとめ

ここまで、ピアノの上達に有効な、5つのトレーニングと、そのメリットについてお話してきました。

1誰かと息を合わせて歌う(演奏する)→拍感・拍子感を体で感じる
2楽譜に慣れる→読譜ができる
3ドレミで歌いながら弾く→頭、指先、耳を直結させる。
4メロディーを歌いながらハーモニーを感じる→曲想をつかむ
5拍感・拍子感を体で感じながらリズムを取る→リズムに乗る

ソルフェージュは、音大受験では、聴いた課題をどれだけ正しく楽譜に書くことができるか、また、新曲課題を、どれだけ正しい音程で歌えるかなどのテストをしますが、ここでは、趣味のピアノを、上達していくために有効なトレーニング=ソルフェージュをご紹介しました。

ピアノを習っている初心者・初級者方のお役に立てると幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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