ピアノをお子様に習わせているけど、練習が嫌いで困っている。親子でストレスを抱えているという方は、少なくないのではないでしょうか。
私の場合、生まれた時からピアノが自宅にあって、ピアノは一番のオモチャでした。自由に遊び弾きしながら、想像を膨らませるのが大好きでした。
だけど、練習が好きだったか?というと…答えはNO!です。
宿題の曲を練習せず、母とバトルになり(笑)お互いストレスになることもよくありました。
今は、こうやってピアノ講師、ピアニストとして音楽の仕事ができることを、心から幸せに思います。
だから、練習が嫌いだからといって、音楽が好きではない、ピアノが向いていないということではないということを理解しておいていただきたいと思うのです。
楽器でもスポーツでも何でも、それ自体は大好きであったとしても、上達するまでの過程=練習は、地味で楽しいとは言えないこともいっぱいありますので、【練習が好き】という人は少ないと思います。
ピアノを習いごとに選んだ理由が何にせよ、ピアノが弾けるようになって、将来も音楽を楽しみ、幸せになってほしいという願いは、どなたも同じではないでしょうか。
子育てを経験し、親の立場になってみると、一つのことを続けさせる大変さと、同時に大切さを身にしみて感じます。
この記事では、お子様が練習嫌いでも、行き詰まらず、ピアノを楽しみながら上達していくために大切な3つのことについてお話しします。
*もくじ*
総合的な音楽力
ピアノは、バランスよく総合的な音楽力をつけていくことで、楽しく上達していくことができます。
なぜなら、ヴァイオリンやフルートなどメロディーだけ演奏する楽器や歌とは違い、メロディーと伴奏、複数の声部をいっぺんに演奏するからです。オーケストラや合唱のようなすべての音楽の要素を、一人で演奏するイメージです。
ですから、いろんな音楽の知識や経験を重ねることが必要になります。楽譜を読む、音を聴き分ける、リズム感をつける、和声感を付けるなど、総合的な音楽力がゆくゆくは上達に結びついていきます。
ピアノの練習というと、課題の曲をきちんと練習することだけが目標になりがちですが、ただ曲の完成度を上げるだけでなく、子供のころからバランス良く幅広く学び、経験することが、練習のマンネリ化を防ぐことにもなり、心豊かに楽しく上達していくことにつながります。
ここからは、とりわけピアノに必要な【楽譜を読む力】【和声感をつける】について説明します。
楽譜を読む力
楽譜が苦手なことが、練習嫌いの原因になっていくことは多いです。
私の子供時代の練習嫌いを振り返ると、原因は楽譜を読む力の弱さでした。今練習している曲の譜読みで、読み方がわからなかったり、読むのが極端に遅く時間がかかってしまうと、練習するのが億劫になり、練習嫌いになります。
ピアノの楽譜は、ほかの楽器に比べて音の数が多く、読むのが難しいため、楽譜を読む力のなさから練習嫌いになり、結果として、ピアノの上達の妨げになってしまうことは多いです。
子供時代の私は、どのようにピアノを弾いていたかというと、レコード(古い🤣)を聴いて覚えて弾いていたのです。今思うととんでもないですが、先生にはさじを投げられていたようで、当時の楽譜には「レコード聴いて音直してね」と書き込まれていたりします(笑)(その後、音大受験を決めてから音楽理論を勉強し、無事読めるようになりました)
このように、楽譜が読めないと、たとえ耳コピでなんとなくは弾けても、誰かにその演奏が正しいかどうか常にチェックしてもらわないと、自分では弾けません。将来自分で弾きたい曲を弾きたくても、誰かの助けなしでは、弾いて楽しむことができなくなってしまいます。
ですから、お子様の読譜については、耳コピで弾いたり、ドレミを楽譜に書き込んだり、誰かに弾いて覚えさせてもらわず、自分で読んで弾く努力を重ねて欲しいと思います。
そして、理屈から入るのが得意な大人とは違い、感覚から入る子供にとっては、ピアノの楽譜を読んで弾けるようになることは、大人が思うよりたやすくない事を理解して、気長に取り組めるように、見守ってあげてほしいと思います。
最初は、音符やリズムを学び知識を得ても、実践を重ねないと、それが音楽と結びつき、楽譜を読んで弾ける状態にはなりません。数をこなすことが必要です。慣れることで、必ず読めるようになりますし、それがピアノの上達にも、将来楽しむためにも役立ちます。
ですので、読譜の練習は、(難しすぎない課題で!)少しずつ続けることが大事です。幼いあいだは、助けが必要ですが、自立心が芽生える小学校高学年までに、自分で楽譜を読んで、自宅の練習が困らずできるようになるのが理想です。
和声感をつける
和声とは、和音の進行のことです。和声を学び、和声感をつけることでは、主に次のような3つのメリットがあります。
・メロディーに自分で伴奏を付けて弾けるようになり、ピアノを弾くのが楽しくなる
・曲想をとらえることができるようになる
・読譜がしやすくなる(早くなる)
基本の和声を学び、自分でメロディーに伴奏をつけることが出来るようになると、自由に音楽を奏でる喜びが得られます。
和音には、明るい感じ、悲しい感じ、緊迫した感じ、不思議な感じ等々…いろいろな性質のものがあります。
ですので、メロディーを支える伴奏がどのような和声で出来ているか感じることで、曲想をとらえることができます。
また、楽譜を読む時、伴奏部分を単音でなく、和声でとらえて読めるようになることで、次の進行を予測しながら弾けるようにもなり、読譜がしやすく早くなります。そして、複雑な伴奏の場合も、省くことが可能な音がその場で判断できるようにもなる為、初見演奏(初めて見た楽譜を曲想をとらえて演奏すること)に強くなります。
他にも、楽器や歌の伴奏が上手にできるようになるなど、和声を学ぶことで、ピアノでできることの幅が広がり、弾く事が楽しくなっていきます。
習慣づける大切さ
【継続は力なり】分かっていても、それを実行するのは子供でなくても難しいです。
私自身、コツコツするのが苦手なので(笑)あまり偉そうに言えませんが、でも、敢えて言わせていただくと、ピアノを習い始めたら、お子様のやる気に任せず、たった5分でも、毎日練習することを習慣化してください。
それは、ピアノは、自分で練習することなしでは上達出来ないのと、上達しないと楽しくならないからです。
出来なかったことが出来るようになると、生徒さんたちは皆、笑顔を輝かせて、
「もっとできるようになりたい!」
と、やる気と自信が湧きます。その体験の積み重ねで、上達していきます。
練習する→出来るようになる→もっとできるようになりたいから練習する
という好循環が生まれるのです。
練習が嫌な状態とは、「なんとなく面倒くさくて、スタート出来ない」状態です。ですから、「朝出かける前」「おやつを食べたら」のように、練習を始めるタイミングを決めておくといいです。
「時間のある時に」と思っていると、始めるタイミングを失ってしまい、練習不足が重なると自信がなくなり、ピアノが嫌になっていきます。
まずは、5分でも、無理のない時間で、練習の習慣化をすることが楽しく上達していくコツです。
ピアノを好きな気持ちを育てる
大人になっても、好きなことに打ち込める時間を持てることは、本当に幸せなことだと思います。
楽譜が読めなくても、宿題の曲をなかなか練習しなくても、私の【ピアノが好きな気持ち】を壊さず、認めてくれた先生と母なしには、今の私は絶対にありません。
ピアノは、根気よく続けることで実を結ぶので、お子様の【好きな気持ち】を大切に育てる事が何よりも大事なことだと思います。
お子様のピアノの成長を楽しんで、それを言葉で伝えてあげて下さい。自分の演奏から何かを感じたり、楽しんでもらえることを実感することで、演奏する喜び、表現する楽しさが芽生え、もっと上手に弾けるようになりたいという思いが強くなります。
音楽は、人生に彩を与えてくれます。【好きな気持ち】を大切に育み、心豊かで幸せな人生につなげていただきたいです。
まとめ
ここまで、お子様が練習が嫌いでも、ピアノが楽しく上達していくために大切な3つのことについてお話しました。
総合的な音楽力をつけていく
・読譜力の弱さが練習嫌いの原因になる
・和声感をつけることでピアノを弾く事が楽しくなる
練習を習慣化する
一番大切なのは【好きな気持ち】を育てる事
子どもとたくさんの時間を一緒に過ごす子育ての時期は、長いようでも、後から思うとあっという間です。
バトルもたまにはいいですが(笑)一緒に音楽を楽しみ、親子の時間を大切にしたいですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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